第11話:「日本人スタッフが優しすぎて、外国人は育たない?」現場の良かれと思った“過保護”が自立を妨げる罠

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こんにちは。
「外国人雇用のセカンドオピニオン」ふくろう主任です。

「うちの現場の職員は、みんな本当に優しいんです。外国人スタッフのことも我が子のように可愛がって、無理をさせないように気遣っているのに、なぜか辞めちゃうんですよね……」

施設長からそんな切ない相談をいただくことがあります。
厳しく指導して辞めてしまうなら理由はわかります。しかし、「優しく大切に育てているはずなのに、なぜか定着しない」。この矛盾に頭を悩ませている施設は、実は少なくありません。

年間150人以上の外国人スタッフと転職面談をしてきて確信しているのは、日本側の「良かれと思った優しさ(過保護)」が、時に彼らを深く傷つけ、離職の引き金になっているという事実です。

今回は、現場の親切心が裏目に出てしまう「見えない空気」の正体についてお話しします。


  1. 「夜勤に入らせてもらえない」という外国人の不満
    私が転職を希望する外国人スタッフと面談をしていると、こんな不満がよく飛び出します。

「入社してもう1年になるのに、私には夜勤を任せてもらえません」

これを聞いたとき、施設のリーダーや先輩スタッフは「まだ日本語が少し不安だから」
「何かトラブルがあったら可哀想だから、もうちょっと日勤で慣れてから……」と、
彼らを心配して「守っている」つもりであることがほとんどです。

しかし、当の外国人スタッフの受け止め方は全く違います。

夜勤に入れないということは、夜勤手当が出ないという経済的な問題だけでなく、
彼らにとっては「私はまだ、一人前として信頼されていないんだ」
「ここでは新しいことに挑戦させてもらえないんだ」という、
強い焦りと孤独感に繋がっているのです。


  1. 「問題」というほどではない、小さなことの積み重ね

先日、あるミャンマー人の元介護スタッフ(現在は外国人支援の仕事をしています)と
話す機会がありました。
彼女に「外国人の本当の本音ってどうなの?」と尋ねたところ、ハッとする答えが返ってきました。

「普段の面談で『何か困ったことや問題はありますか?』と聞かれても、
みんな『大丈夫です』って答えます。
それは、大きな『事件』や『問題』が起きているわけではないからです。

でも、職場の人間関係や『仕事を任せてもらえない』といった小さなモヤモヤは、
毎日確実に積み上がっています。
それは『問題』という言葉にはならないけれど、確実に転職する一番の理由になります。
お給料も大切ですが、それ以上に人間関係や信頼されている実感が大切なんです」

日本人が想像している以上に、彼らは職場の「見えない空気」に敏感です。
「危ないからやらなくていいよ」という言葉の裏には、
本当に相手を心配する気持ちもあれば、
忙しい現場ならではの余裕のなさが隠れていることもあります。

しかし、受け取る側は「信頼されていない」と感じてしまうことがあります。


  1. 「特別扱い」をせず、明確な「基準」でチャンスを渡す

では、彼らを孤立させず、安心して自立してもらうためにはどうすれば良いのでしょうか。

大切なのは、感情的な「優しさ」で守ることではなく、
「どうなったら夜勤に入れるのか」「何をクリアしたら次の仕事を任せるのか」という、
客観的なステップ(基準)を明確に示すことです。

 ・「この介護記録の項目が一人で書けるようになったら、夜勤の同行を始めよう」

 ・「この移乗介助のチェックリストがクリアできたら、次はステップアップね」

このように、日本人と同じ物差しで成長を見つめ、階段を一段ずつ登らせてあげること。
「わからないことはその都度教えるけれど、あなたをプロとして信頼して任せるよ」というスタンスこそが、
彼らが日本で本当に求めている「安心感」であり「やりがい」なのです。


まとめ:最高の優しさは、彼らを「信じて任せる」こと

外国人スタッフを「特別扱い」して、きつい仕事を外したり、
いつまでも補助的な作業しかさせないのは、一見すると優しいケアに見えます。
しかしそれは、彼らの「育つチャンス」を奪う過保護になってしまっているかもしれません。

現場が求めている「一緒に働く安心感」は、彼らをただ守るだけでは生まれません。
本当の意味での定着は、「大切にされている」と感じることと、
「信頼されている」と感じること、その両方が揃ったときに初めて生まれます。

 ・「うちの現場、優しく接しているつもりだけど、どこか壁がある気がする……」

 ・「外国人スタッフが、今の仕事にやりがいを感じているか自信がない」

もしそんなモヤモヤを抱えている施設長がいたら、ぜひ一度「ふくろう主任」にご相談ください。
紹介会社や支援機関の書類上の報告だけでは見えてこない、
スタッフたちの「言葉にならない小さなモヤモヤ」を本音ベースで整理し、
現場の日本人職員も外国人スタッフも、お互いが信頼し合って自立できる仕組みづくりを一緒に考えていきましょう。

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