こんにちは。
「外国人雇用のセカンドオピニオン」ふくろう主任です。
「特定技能スタッフを採用したことで、人手不足は少し解消したはずなのに……なぜか現場のベテラン職員が疲れている」
「最近、『教えるのが大変』『もう余裕がない』という声が出てきた」
外国人雇用を始めた施設長から、そんな相談をいただくことがあります。
施設長からすると、「人が増えたのだから、現場は少し楽になるはず」と考えるのは当然です。
しかし実際の現場では、新しい仲間を迎え入れることで、別の目に見えない負担が発生することがあります。
それが、「教える側の負担」です。
今回は、優しい先輩職員や責任感の強いリーダーほど抱え込みやすい、受け入れ側の疲弊と、施設長ができる具体的なサポートについてお話しします。
- 施設長が見落としがちな「教える側」の3つの負担
外国人スタッフを受け入れるとき、現場の日本人スタッフは、決して「ただ教えている」だけではありません。
言葉や文化の違いを理解しながら、毎日の業務の中で細かな調整をしています。
その負担は、主に3つあります。
①「伝わる言葉」に変換する負担
特定技能スタッフは日本語を勉強して来日しています。
しかし、日本人同士なら自然に通じる、
「いつもの感じでお願い」
「前と同じようにやっておいて」
「空いた時間で対応して」
といった曖昧な表現は、実は理解が難しいことがあります。
そのため、先輩職員は頭の中で、
「どう言えば伝わるかな」
「この言葉だと誤解するかな」
と毎回考えながら説明しています。
この小さな翻訳作業が、毎日の積み重ねで大きな負担になります。
②「分からないサイン」を探し続ける負担
指示を出したあと、外国人スタッフの手が止まっている。
その時、優しい職員ほど、
「ちゃんと伝わったかな?」
「困っているけど言えないのかな?」
と気にかけます。
もちろん、それは素晴らしい姿勢です。
ただ、通常業務をしながら常に相手の理解度まで気にする状態が続くと、精神的な余裕が少しずつ削られていきます。
③「当たり前」の違いを調整する負担
日本の職場では、
「忙しそうだから後で聞こう」
「同じことを何回も聞いたら申し訳ない」
というように、相手の状況を察することが大切にされる場面があります。
一方で、文化によっては、
「分からないことはすぐ確認する」
「疑問は言葉にして解決する」
ことが自然なコミュニケーションである場合もあります。
どちらが正しいという話ではありません。
ただ、その違いを知らないままだと、お互いに「なんで分かってくれないんだろう」という疲れにつながってしまいます。
- 施設長がすべきことは「もっと頑張って」ではなく、負担を減らすこと
現場から、
「教えるのが大変です」
「もう余裕がありません」
という声が出た時に、一番避けたいのは、
「彼らも頑張っているんだから、もう少し優しくしてあげて」
という精神論で終わらせてしまうことです。
なぜなら、現場の職員も外国人スタッフを困らせたいわけではありません。
ただ、自分たちの通常業務をしながら、新人教育まで背負っている状態なのです。
問題は、人の優しさではなく「仕組み」です。
例えば、
「指導担当の日は、他の職員が少しフォローする」
「新人教育を担当した職員も、施設への貢献として評価する」
「教える内容を一部マニュアル化する」
こうした仕組みがあるだけで、現場の受け止め方は大きく変わります。
「私だけが頑張らないといけない」
という状態を作らないことが大切です。
- 教える人による差をなくす「共通ルール」を作る
もう一つ重要なのは、教え方を個人任せにしないことです。
現場では、
「Aさんからはこう教わった」
「Bさんからは違うことを言われた」
というズレが起きることがあります。
これは外国人スタッフの理解力の問題ではなく、施設側の伝え方の問題であることも少なくありません。
例えば、
・介助の手順
・記録の書き方
・声かけの例
・分からない時の質問方法
などを簡単な形でも共有しておくことで、教える側の負担は減ります。
「誰か一人の優しさ」に頼るのではなく、「施設全体で育てる仕組み」に変えること。
それが、長く続く受け入れにつながります。
まとめ:日本人スタッフが笑顔で働ける環境が、外国人スタッフの定着につなが
外国人スタッフに長く働いてもらうために大切なのは、外国人だけを見ることではありません。
その隣で一緒に働く日本人スタッフが、
「受け入れて良かった」
「一緒に成長していきたい」
と思える環境を作ることです。
受け入れる側に余裕があれば、外国人スタッフにも自然と優しい声かけや丁寧な指導ができます。
逆に、誰か一人の頑張りに頼り続けると、どんなに良い人材を採用しても現場は疲弊してしまいます。
外国人雇用は「採用したら終わり」ではありません。
日本人スタッフと外国人スタッフ、両方が無理なく続けられる仕組みを作ることこそ、施設長の大切な役割です。
「最近、現場のリーダーやベテラン職員に余裕がなさそうで心配だ」
「外国人スタッフは増えたけれど、現場の雰囲気が少しギクシャクしている」
そんな違和感を感じたら、ぜひ一度「ふくろう主任」にお聞かせください。
外国人側の気持ちも、日本人スタッフ側の苦労も知っている第3者の視点から、誰かに負担が偏らず、みんなが安心して働ける現場づくりを一緒に考えていきます。

