第24話:「指示待ちスタッフ」が増える本当の理由。日本人も外国人も、自分から動ける“安心できる職場”のつくり方

未分類

こんにちは。
「外国人雇用のセカンドオピニオン」ふくろう主任です。

「うちのスタッフは、指示したことしかやらない」
「もっと自分で考えて、自主的に動いてほしい」

そう悩んでいる施設長は、少なくありません。
特に、外国人スタッフを受け入れた施設では、

 ・「こちらから細かく指示しないと動いてくれない」

 ・「分からないことがあっても、質問してこない」

といった声を聞くことがあります。

でも、ここで一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
スタッフが「言われたことしかやらない」のは、本当に「自主性がない」からでしょうか?

実はその背景には、「自分で考えて動いたり、意見を言ったりすると、失敗したときに怒られるかもしれない」という経験から、「それなら、言われたことだけやっておこう」と学習してしまっているケースがあります。

これは日本人スタッフにも、外国人スタッフにも起こることです。
今回は、スタッフが安心して質問し、意見を言い、自分から一歩動き出せる「安心できる職場」のつくり方についてお話しします。


1.「指示待ち」になるのは、本人の問題とは限らない

現場が「指示待ち」になってしまうと、つい「もっと自分で考えてよ」「何度も教えているんだから、もう分かるでしょう」と言いたくなってしまいます。

でも、本人からすると、

 ・「勝手にやって怒られたらどうしよう」

 ・「質問したら、そんなことも分からないの?と思われそう」

 ・「前に提案したけれど、聞いてもらえなかった」

という経験が積み重なっているのかもしれません。

人は、何度も「自分で考えて動くと嫌な思いをする」という経験をすると、やがて自分から動かなくなります。
つまり、「指示待ち」は、本人の性格ではなく、職場で身につけた“安全な行動”であることもあるのです。

そして、外国人スタッフの場合は、さらに「日本語を間違えたら恥ずかしい」「日本人スタッフの中で自分だけ違うことを言うのが怖い」という不安が重なることもあります。


2.最初に必要なのは「自分から動いて」ではなく、「分からなくて大丈夫」

では、どうすればスタッフが自分から動けるようになるのでしょうか。
私が現場で大切だと感じているのは、指導する側から先に、「分からないことを言っても大丈夫」という空気をつくることです。

例えば、新しい仕事を教えるとき。

 ・「これ、やるの初めてだよね」

 ・「最初はどこが分からないかも、分からないよね」

 ・「分からなかったら、遠慮せず聞いてね」

こう言ってもらえるだけで、スタッフの緊張はかなり変わります。

さらに一歩進めるなら、「一回やってみて。途中で分からなくなったら、一緒に考えよう」と伝えてみる。

「最初から完璧にやってね」ではなく、「まずやってみること」を認めてあげる。
これが、自分から動くための最初の一歩になります。


3.「絶対に守ること」と「失敗してもいいこと」を分ける

もう一つ大切なのが、仕事の中にある「絶対に間違えてはいけないこと」と、「やりながら覚えていいこと」を分けて伝えることです。

介護現場には、もちろん絶対に守らなければならないルールがあります。

 ・利用者様の安全に関わること

 ・誤薬など重大な事故につながること

 ・感染対策など、施設として必ず守るルール

こうした部分については、曖昧にせず、明確に伝える必要があります。

一方で、

 ・「どの順番で声をかけるか」

 ・「どうすればもっと効率よくできるか」

 ・「利用者様にどう伝えると分かりやすいか」

などは、経験を積みながら自分なりの工夫を覚えていく部分でもあります。

だからこそ、「ここは絶対に守ってね。でも、それ以外はやりながら一緒に覚えていこう」と、施設側が「安全のライン」と「挑戦していい範囲」を示してあげることが大切です。
それだけで、スタッフは安心して自分の頭で考えられるようになります。


4.「提案したら、ちゃんと反応する」が自主性を育てる

そして、意外と見落とされやすいのが、「スタッフが勇気を出して言ったことに、上司がどう反応するか」です。

例えば、外国人スタッフが「このやり方のほうが、利用者様も分かりやすいと思います」と提案してきたとします。
そのとき、「今までずっとこのやり方だから」と一言で終わらせてしまったら、次からその人は提案しなくなるかもしれません。

もちろん、提案をすべて採用する必要はありません。
でも、

 ・「なるほど。そう考えたんだね」

 ・「いい視点だね。一回やってみようか」

 ・「今回は施設のルールがあるから変えられないけど、意見を言ってくれてありがとう」

と、まず受け止める。

「提案したこと」と「採用されること」は別です。
大切なのは、「自分の意見を言っても無駄ではない」という経験を積ませてあげること。それが、次の提案につながります。


5.「自分から動いてほしい」なら、施設長も少しだけ待ってみる

もう一つ、施設長やリーダーにぜひ意識してほしいことがあります。
それは、「すぐに答えを教えない」ことです。

スタッフが「これ、どうしたらいいですか?」と聞いてきたとき、忙しい現場ではつい「こうして!」と答えてしまいます。
もちろん、それが必要な場面もあります。

でも、安全上問題がないことであれば、「あなたはどうしたらいいと思う?」と一度返してみる。

すると、最初は「分かりません……」という答えかもしれません。
それでも、「じゃあ、一緒に考えてみようか」と待ってあげる。

この小さな積み重ねが、「答えをもらう人」から「自分で考える人」へ、少しずつ変えていきます。


まとめ:「言っても大丈夫」が、人を動かす

「もっと自主的に動いてほしい」
そう思ったとき、まず変えるべきなのは、スタッフの行動ではなく、スタッフが安心して動ける環境なのかもしれません。

 ・「分からないと言っても大丈夫」

 ・「失敗しても、一緒にやり直せばいい」

 ・「意見を言っても、頭ごなしに否定されない」

 ・「自分で考えることを、ちゃんと見てもらえている」

そんな安心感があって初めて、人は自分から考え、挑戦し、行動できるようになります。
そしてこれは、外国人スタッフだけの話ではありません。新人も、若手も、ベテランも同じです。

「自分から動いてほしい」と思うなら、まず「自分から動いても大丈夫」と思える職場をつくる。
それが、指示待ちのスタッフを減らし、一人ひとりが力を発揮できるチームをつくるための第一歩です。

 ・「現場のスタッフが指示待ちになっていて、自分で考えて動いてくれない」

 ・「ミスの報告や相談が遅く、現場のコミュニケーションがうまくいっていない」

 ・「外国人スタッフにも、もっと安心して意見を言ってもらいたい」

そんなときは、ぜひ一度「ふくろう主任」にご相談ください。
恐怖やプレッシャーで人を動かすのではなく、「ここなら自分の力を出しても大丈夫」と思える、温かくて強いチームづくりを一緒に考えていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました