第18話:「人が増えたのに、なぜ現場は楽にならない?」外国人受け入れで見落とされる“教える側”の負担

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こんにちは。
「外国人雇用のセカンドオピニオン」ふくろう主任です。

「特定技能スタッフを採用したことで、人手不足は少し解消したはずなのに……なぜか現場のベテラン職員が疲れている」
「最近、『教えるのが大変』『もう余裕がない』という声が出てきた」

外国人雇用を始めた施設長から、そんな相談をいただくことがあります。

施設長からすると、「人が増えたのだから、現場は少し楽になるはず」と考えるのは当然です。

しかし実際の現場では、新しい仲間を迎え入れることで、別の目に見えない負担が発生することがあります。

それが、「教える側の負担」です。

今回は、優しい先輩職員や責任感の強いリーダーほど抱え込みやすい、受け入れ側の疲弊と、施設長ができる具体的なサポートについてお話しします。


  1. 施設長が見落としがちな「教える側」の3つの負担

外国人スタッフを受け入れるとき、現場の日本人スタッフは、決して「ただ教えている」だけではありません。

言葉や文化の違いを理解しながら、毎日の業務の中で細かな調整をしています。

その負担は、主に3つあります。

①「伝わる言葉」に変換する負担

特定技能スタッフは日本語を勉強して来日しています。

しかし、日本人同士なら自然に通じる、

「いつもの感じでお願い」
「前と同じようにやっておいて」
「空いた時間で対応して」

といった曖昧な表現は、実は理解が難しいことがあります。

そのため、先輩職員は頭の中で、

「どう言えば伝わるかな」
「この言葉だと誤解するかな」

と毎回考えながら説明しています。

この小さな翻訳作業が、毎日の積み重ねで大きな負担になります。

②「分からないサイン」を探し続ける負担

指示を出したあと、外国人スタッフの手が止まっている。

その時、優しい職員ほど、

「ちゃんと伝わったかな?」
「困っているけど言えないのかな?」

と気にかけます。

もちろん、それは素晴らしい姿勢です。

ただ、通常業務をしながら常に相手の理解度まで気にする状態が続くと、精神的な余裕が少しずつ削られていきます。

③「当たり前」の違いを調整する負担

日本の職場では、

「忙しそうだから後で聞こう」
「同じことを何回も聞いたら申し訳ない」

というように、相手の状況を察することが大切にされる場面があります。

一方で、文化によっては、

「分からないことはすぐ確認する」
「疑問は言葉にして解決する」

ことが自然なコミュニケーションである場合もあります。

どちらが正しいという話ではありません。

ただ、その違いを知らないままだと、お互いに「なんで分かってくれないんだろう」という疲れにつながってしまいます。


  1. 施設長がすべきことは「もっと頑張って」ではなく、負担を減らすこと

現場から、

「教えるのが大変です」
「もう余裕がありません」

という声が出た時に、一番避けたいのは、

「彼らも頑張っているんだから、もう少し優しくしてあげて」

という精神論で終わらせてしまうことです。

なぜなら、現場の職員も外国人スタッフを困らせたいわけではありません。

ただ、自分たちの通常業務をしながら、新人教育まで背負っている状態なのです。

問題は、人の優しさではなく「仕組み」です。

例えば、

「指導担当の日は、他の職員が少しフォローする」

「新人教育を担当した職員も、施設への貢献として評価する」

「教える内容を一部マニュアル化する」

こうした仕組みがあるだけで、現場の受け止め方は大きく変わります。

「私だけが頑張らないといけない」

という状態を作らないことが大切です。


  1. 教える人による差をなくす「共通ルール」を作る

もう一つ重要なのは、教え方を個人任せにしないことです。

現場では、

「Aさんからはこう教わった」
「Bさんからは違うことを言われた」

というズレが起きることがあります。

これは外国人スタッフの理解力の問題ではなく、施設側の伝え方の問題であることも少なくありません。

例えば、

・介助の手順
・記録の書き方
・声かけの例
・分からない時の質問方法

などを簡単な形でも共有しておくことで、教える側の負担は減ります。

「誰か一人の優しさ」に頼るのではなく、「施設全体で育てる仕組み」に変えること。

それが、長く続く受け入れにつながります。


まとめ:日本人スタッフが笑顔で働ける環境が、外国人スタッフの定着につなが

外国人スタッフに長く働いてもらうために大切なのは、外国人だけを見ることではありません。

その隣で一緒に働く日本人スタッフが、

「受け入れて良かった」
「一緒に成長していきたい」

と思える環境を作ることです。

受け入れる側に余裕があれば、外国人スタッフにも自然と優しい声かけや丁寧な指導ができます。

逆に、誰か一人の頑張りに頼り続けると、どんなに良い人材を採用しても現場は疲弊してしまいます。

外国人雇用は「採用したら終わり」ではありません。

日本人スタッフと外国人スタッフ、両方が無理なく続けられる仕組みを作ることこそ、施設長の大切な役割です。

「最近、現場のリーダーやベテラン職員に余裕がなさそうで心配だ」

「外国人スタッフは増えたけれど、現場の雰囲気が少しギクシャクしている」

そんな違和感を感じたら、ぜひ一度「ふくろう主任」にお聞かせください。

外国人側の気持ちも、日本人スタッフ側の苦労も知っている第3者の視点から、誰かに負担が偏らず、みんなが安心して働ける現場づくりを一緒に考えていきます。

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