こんにちは。
「外国人雇用のセカンドオピニオン」ふくろう主任です。
「介護福祉士にも合格した。資格手当も支給した。これで長く働いてくれるはず――。」
そう思っていた施設長が、半年後に二人の外国人スタッフからほぼ同時に退職の申し出を受けました。
「どうして……?」待遇を改善したのに辞めてしまう。施設長にとっては、本当に理解しがたい出来事です。
しかし、本人たちが本当に知りたかったのは、毎月の資格手当の金額ではありませんでした。
「この施設で働き続けたら、自分はこれからどんな成長ができるのだろう」
その答えが見えなかったことが、退職を決断する一番の理由だったのです。
今回は、スタッフの「頑張りたい」という気持ちが「ここでは報われない」という諦めに変わってしまう瞬間を防ぐための、「成長の階段」のつくり方についてお話しします。
1.評価制度とは、人を評価するものではなく「応援する仕組み」
「評価制度」と聞くと、「難しい人事制度を作らなければいけない」そんなイメージを持つ施設長も少なくありません。でも、本当に大切なのは立派な制度ではありません。
評価制度の本質は、「次はここを目指そう。一緒に頑張ろう」という施設からスタッフへの応援メッセージです。
例えば、外国人スタッフの受け入れがうまくいっている施設では、以下のような工夫がごく自然に行われています。
・利用者様の名札にフリガナやローマ字を添える
・母国語の教育マニュアルを整備する
・「3か月後」「半年後」「1年後」に身につけてほしいことを整理して共有する
「ここまでできたら、次はこれ。」その小さな目標が見えているだけで、人は安心して前へ進むことができます。
2.人は給与より、「未来」が見えないことに不安を感じる
以前相談を受けた施設では、介護福祉士に合格したベトナム人スタッフが何年経っても契約社員のままでした。
施設長に悪気はありません。本人も待遇に強い不満があったわけではありません。
ただ、「私は、この先どうなれるんだろう」という不安だけが、少しずつ大きくなっていったのです。
・正社員になるには何が必要なのか
・後輩を育てる立場になれるのか
・リーダーを目指せる可能性はあるのか
誰も教えてくれない。
だから、「ここでは未来が描けない」と感じてしまいました。
これは外国人スタッフだけの話ではありません。
日本人スタッフでも、成長の道筋が見えない職場では、同じように不安になってしまいます。
3.「階段」が見えれば、人は自分から登り始める
もちろん、「将来は必ず主任にします」そんな約束をする必要はありません。
でも、
「介護福祉士を取得したら、後輩指導にもチャレンジしてみよう」
「後輩育成ができるようになったら、リーダー業務にも挑戦してみよう」
そんな小さな階段を示してあげることはできます。
さらに大切なのは、その階段を示す施設長やリーダー自身が、「〇〇さんなら、きっとできるよ」「次は一緒にここを目指そう」という前向きな気持ちで伴走することです。
どれだけ立派な評価シートがあっても、それを渡す人に期待や応援の気持ちがなければ、スタッフにはすぐに伝わってしまいます。逆に、小さな一言でも、「見てもらえている」「期待されている」と感じられれば、人はもう少し頑張ってみようと思えるものです。
まとめ:「成長の階段」が見える職場は、人が辞めにくい
人は、暗闇の中では立ち止まります。でも、一段先の階段が見えれば、自分の力で登り始めます。
資格手当や給与はもちろん大切です。しかし、それだけでは人は長く定着しません。「この施設なら、自分はもっと成長できる」と思える未来を示せるかどうか。それが、人が辞めない職場づくりの大きな分かれ道なのだと思います。
・「うちの施設には、成長のステップがまだ見える形になっていないかもしれない」
・「資格取得後のキャリアや、正社員登用の基準をどう作ればいいか悩んでいる」
そんなときは、ぜひ一度「ふくろう主任」にご相談ください。
難しい人事制度を作ることが目的ではありません。
現場のスタッフが「次はここを目指したい」と前向きになれる、小さくても温かい”成長の階段”を、あなたの施設に合った形で一緒に考えていきましょう。

