第14話:現場の人間関係は「問題」という言葉にならない。施設長が見落とす“見えない圧力”

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こんにちは。
「外国人雇用のセカンドオピニオン」ふくろう主任です。

「定期面談ではいつも『大丈夫です』と言っていたのに、ある日突然『転職先が決まったので辞めます』と言われた」

外国人スタッフの定着支援をしていると、施設長からこんな相談を受けることがあります。

 ・「仕事も真面目だった」

 ・「利用者さんのことも大好きだった」

 ・「人間関係も問題ないと思っていた」

だからこそ、突然の退職に施設側は驚いてしまいます。

しかし、実際には“突然”ではありません。
彼らの中では、小さな違和感や寂しさが少しずつ積み重なり、「ここで頑張り続ける意味があるのかな」と感じた瞬間に、静かに決断していることがあるのです。

今回は、施設長から見えにくい「現場の空気」の影響についてお話しします。


  1. 悪気がない一言ほど、心に残ることがある

先日、あるミャンマー人の元介護スタッフ(現在は外国人支援の仕事をしています)から、こんな話を聞きました。

その施設には、現場で長く働き、周囲から頼られているベテラン職員がいました。年末が近づいたある日、その職員が外国人スタッフに、
「あなた達は日本に家族がいないから、お正月出勤できるよね」
という言葉をかけたそうです。

言った本人には、相手を傷つける意図はなかったのかもしれません。
しかし、母国に家族を残して日本で働いている人にとって、お正月に家族と連絡を取りたい気持ちや、同郷の仲間と過ごしたい思いがあります。

「日本に家族がいない」という一言が、「自分の大切なものを理解してもらえていない」という寂しさにつながることもあるのです。


  1. 小さな違和感は「問題」になる前に消えていく

こうした出来事は、本人にとっても「相談するほどの問題」ではありません。
面談で「困ったことはありますか?」と聞かれても、「大丈夫です」と答えることが多いです。

なぜなら、彼らの心の中には、以下のような葛藤があるからです。

 ・「悪口を言いたいわけではない」

 ・「誰かを困らせたいわけでもない」

 ・「でも、少し悲しかった」

というレベルの感情だからです。

しかし、その小さな違和感が積み重なると、「この職場では自分は大切にされていないのかもしれない」という感覚に変わっていきます。
そして、その段階になると、相談ではなく「転職活動」という次の行動に移ってしまうのです。


  1. 施設長が作るべきは「相談できる空気」

介護現場は、どうしても閉鎖的になりやすい環境です。施設長がすべての人間関係を見ることはできません。

だからこそ重要なのは、問題が起きてから対応することではなく、「何かあったら言っていいんだ」という空気を普段から作っておくことです。

 ・「仕事の悩みだけじゃなく、職場で気になることも遠慮なく言ってね」

 ・「すぐ変えられないことでも、一緒に考えるからね」

という一言があるだけで、スタッフの安心感は大きく変わります。


まとめ:人は仕事ではなく「居場所」を失った時に離れる

外国人スタッフが辞める理由は、必ずしも給与や仕事内容だけではありません。

 ・「自分はここで必要とされている」

 ・「自分の努力を見てもらえている」

そう感じられるかどうか。そこが、長く働く上で大きな分かれ道になります。
優秀な人材ほど、何も言わずに我慢し、静かに次の場所を探します。
だからこそ施設側に必要なのは、問題を探すことではなく、小さな違和感に気づける関係づくりです。

もし今、
「現場の人間関係が本当のところどうなのか見えなくて不安だ」
「外国人スタッフが本当に安心して働けているか、本音を知りたい」

そんなモヤモヤを抱えている施設長がいたら、ぜひ一度ふくろう主任にお聞かせください。
支援機関の立場も、施設の立場も見てきたからこそ、スタッフの小さな心の変化に気づき、お互いが信頼し合える温かい現場づくりを一緒に考えていきたいと思います。

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